クラミジア治療のニューキノロン系薬

ニューキロノン系の薬の特徴とレボフロキサシン(クラビット)

クラミジアの治療に用いられる抗生物質

クラミジアに感染したときは、おもに抗生物質の服用で治療します。抗生物質でクラミジアが治療できる確率は非常に高く、多くの人が1~2週間ほどで完治するとされています。ここでは、クラミジアの治療に用いられる抗生物質の一つ、ニューキノロン系の薬について見てみましょう。

抗生物質がクラミジアに高い効果があることは確かですが、どんな種類の抗生物質でもよいわけではありません。患者の症状に適切な種類の抗生物質を服用したときのみ、治療効果が表れます。クラミジアの治療では、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキロノン系の3種類の抗生物質のなかから、患者に最も適したものを処方するのが一般的です。ペニシリン系やセフェム系の抗生物質では、クラミジアの治療には効果がありません。

ニューキロノン系の効果

クラミジアの治療薬としてクラビットという薬が有名ですが、これはニューキロノン系の抗生物質です。ニューキロノン系の抗生物質の特徴に、「いろんな細菌に有効」「難治性の感染症に高い効果がある」「副作用が比較的少ない」といったことが挙げられます。

ただ以前ほどの効果は期待できない理由として病原菌に耐性が出ていることです。クラビットは現在ではクラミジアにあまり効果が期待できなくなりました。というのも、病原菌が耐性を持ってしまったので、かつて通用していた量では治療効果が得られにくくなってしまったからです。以前は1日300mgが常用量とされてきましたが、今は1日500mgの服用がスタンダードになっています。しかし、過剰投与や長期間の使用によってまた効かなくなってしまうことも考えられます。

クラビットを改良したグレースビット

今ではそのクラビットを改良したグレースビットという薬も出ています。これまでのニューキロノン系の薬に対し耐性を持った菌に対しても効果があるとされており、クラビットより少量で高い効果が期待できます。ただし、下痢や軟便などの副作用が発生する頻度はクラビットより高いと言われており、それに、こちらも乱用や過剰投与、長期間の使用で効かなくなる可能性はありますから、むやみに使えばよいというわけではありません。

現在のクラミジア治療の主流はジスロマックと言えるでしょう。現在、クラミジアの治療によく使われる抗生物質がマクロライド系のジスロマック(アジスロマイシン)という薬です。一度の服用で約9割の感染が完治すると言われており、胎児に影響を与えないので妊婦も使用できるということで、日本でも海外でもよく用いられています。

レボフロキサシンの由来と特徴

ニューキロノン系の抗生物質として開発

レボフロキサシンとは、クラミジアの治療薬でおなじみのクラビットの主成分のことです。クラビットの後発医薬品が発売されるようになって、クラビットと同じ有効成分の「レボフロキサシン」という商品名の薬も後発医薬品メーカーから販売されています。

レボフロキサシンとは、そもそも日本の医薬品メーカーである第一三共によって開発されたニューキロノン系の抗生物質です。それを「クラビット」という商品名で発売しました。細菌の感染症に広く適応する薬で、肺炎、急性細菌性副鼻腔炎、前立腺炎、尿路感染症、胃腸炎などの治療に用いられます。クラミジアの治療でも以前はよく使用されていました。また、ほかの抗生物質との併用で、髄膜炎、骨盤腹膜炎、結核の治療にも用いられることがあります。

2008年以降はジェネリック商品も発売されています。クラビットは1996年にアメリカで医療承認されました。それが2008年にジェネリック商品の発売が始まり、レボフロキサシンを主成分としたクラビットと同じ有効成分の薬が次々と登場しました。Meiji Seika ファルマ株式会社の「レボフロキサシン錠」や東和薬品株式会社の「レボフロキサシンOD錠」などレボフロキサシンという名前を使った薬もあります。

服用に当たっての注意

レボフロキサシンを成分とするクラビットは、感染率の高いクラミジアにも効果を示すということで、以前はよく処方されていました。しかし、今では以前ほどクラビットが処方されることは少なくなっています。というのも、クラビットが高い頻度で処方され続けたため、最近のクラミジアの細菌はクラビットに対し耐性を示すようになり、以前示したような治療効果が得られなくなったからです。

以前のクラビットは1錠300mgが基本でしたが、今ではその1.5~2倍の量を投与しないと効果が薄いとされています。実際、今のクラビットは1錠500mgが基本で、重症には1錠700mgのものが処方されることもあります。ただし、今は有効でも、長期間にわたって使用したり、乱用や過剰投与があったりするとまた効かなくなってしまうことが考えられます。

今もクラビットがクラミジアの治療に処方されることはありますが、その際は、指示された薬の用量と用法をしっかり守って服用することが大切です。